臨床薬理の進歩 No.41
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結  果のものを解析に使用した。RNAはNEBNext Ultra Ⅱ Directional RNA Library Prep Kit for Illumina(New England Biolab. Inc, Ipswich, MA, USA)を用いてライブラリーを作製し、NextSeq(Illumina, San Diego, CA, USA)を用いて塩基配列決定を行った。75塩基配列をヒトゲノムデータベース(UCSC Human hg19, https://genome.ucsc.edu/)とTopHat2 (ver 2.1.1, https://ccb.jhu.edu/software/tophat/index.shtml)、Bowtie aligner (ver 2.3.2.0, http://bowtie-bio.sourceforge.net/bowtie2/manual.shtml)を用いて特定し定量した。動物実験 6週齢と5か月齢のDBA2J/BALBcマウスを麻酔し、角膜上皮層を剥離除去したのちに角膜を約0.4×1.5 mmの長方形に切除しレシピエントDBA2Jの前房内に移植、空気をいれて角膜後面に接着させた。14日後に角膜を切除して、ZO-1で免疫染色と、MitoTracker(M7514, ThermoFisher Scientific)、JC-1(#924, MitoPT JC-1, ImmunoChemistry Technologies, Bloomington, MN, USA)で染色した。眼圧は、全身麻酔下、TonoLab(Icare Finland Oy, Vantaa, Finland)で測定した。タンパク質・サイトカイン濃度測定 ヒト前房水サンプルは手術開始時に清潔環境下で27ゲージ針を用いて採取された。100-200 μLの前房水はシリコンコートエッペンドルフチューブに入れ、3000 rpmで5分間遠心分離をして上清を新しいシリコンコートエッペンドルフチューブに入れ、−80 ℃で測定まで保管した。タンパク質濃度はDCTMタンパク質測定キット(Bio-Rad Lab)を用いて測定した。サイトカイン濃度はIL-1α、IL-1β、IL-4、IL-6、IL-8、IL-10、IL-12p70、IL-13、IL-17A、IFN-α、IFN-γ、MCP-1、TNF-α、E-selectin、P-selectin、sICAM-1、MIP-1α、MIP-1βおよびIP-10について、Luminex (EPX200-12185-901, ProcaPlex Human panel)を用いて測定した。虹彩萎縮に伴う前房水の微小環境の病的変化は角膜移植片の早期機能不全につながる統計 データはGraphPad Prism(version 6.04, Graphpad Software, Inc., San Diego, CA, USA)を使って統計解析を行った。データの正規性の検定にはD'Agostino & Pearson omnibus normalityテストを用いた。前房水のタンパク質濃度とCEnC密度の相関解析にはSpearman相関解析を用いた。タンパク質濃度の比較にはStudent's t-testを用いた。プロテオーム解析には経験的Bayesアプローチt-testを用いた10)。P値<0.05を統計学的有意差があるものとした。サイトカインデータはBonferroni補正を用いた。15-20の異なる比較があるため、P値<0.0025(i.e., P=0.05/20)を統計学的有意差があるものとした。前房水タンパク質濃度が角膜移植後の予後不良因子である 虹彩萎縮は前房水タンパク質およびサイトカイン濃度と相関することや、虹彩萎縮(図1A,B)が房水血管柵の破綻につながること、虹彩萎縮の存在が角膜移植後の予後不良因子であることが報告されている11〜14)。過去の報告と同様に、本研究でも、虹彩萎縮が重症なほど角膜移植片生存期間が有意に短く(図1C)、虹彩萎縮の重症度と前房水タンパク質濃度が強く相関した(図1D)。前房水タンパク質濃度が高い患者では角膜移植後に急速にCEnCが減少し(図1E, 角膜移植後12か月r=0.433, P=0.0003、表1: 他の術後期間P<0.005)、角膜移植片の生存期間も短かった(図1F, P=0.0156)。水疱性角膜症のCEnCのミトコンドリアに形態的変化が生じる 前房水のタンパク質・サイトカイン濃度がCEnCの減少をきたすことから、病的な前房水微小環境がCEnCになんらかの細胞変化を起こすことが考えられた。そこで、CEnCの細胞微小器官の変化を電子顕微鏡で検討した。走査電子顕微鏡では、正常6969

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