臨床薬理の進歩 No.41
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謝  辞抑制など初期の動脈硬化性血管機能低下を、コルヒチンは改善する可能性がある。また、不安定プラークの破裂に伴う炎症反応を抑制することにより、急性冠症候群の予後改善につながる可能性も考えられる。急性冠症候群における臨床試験では、コルヒチンが梗塞サイズの縮小やCKMB値の低下などを来すことが報告されている15)。またコレステロール結晶は直接NALP3インフラマゾーム形成を活性化することが知られており16)、この点からもコルヒチンが抗動脈硬化作用を有することが期待される。 最後に、本試験は日本発のコルヒチンの抗炎症炎症反応および内皮機能に対するコルヒチンの用量依存性効果の評価−白血球活性化を伴う冠動脈疾患合併2型糖尿病患者を対象としたランダム化二重盲検プラセボ対照第Ⅱ相試験−作用に着目したドラッグリポジショニング研究である。本試験が順調に進行し、早期に第Ⅲ相試験を開始できることを期待したい。また、進行中の第Ⅱ相試験は結果取得後に改めて報告する予定である。 本研究を行うにあたり、研究費助成を賜りました公益財団法人臨床薬理研究振興財団に深く感謝いたします。6565

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