臨床薬理の進歩 No.41
            
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            表1 Study EndopointsPrimary Endpoint: Change	in	serum	high-sensitivity	CRP	(mg/dL)	at	4	weeksSecondary Endpoints: Change	in	serum	high-sensitivity	CRP	(mg/dL)	at	12	weeks	Change	in	Flow	Mediated	Dilatation	(%)	at	12	weeks	Change	in	adhesive	ability	of	white	blood	cell	(number/field	of	view)	at	4	weeksChange	in	time	through	the	microchannel	of	white	blood	cell	(sec)	at	4	weeksChange	in	plasma	myeloperoxidase	level	(ng/mL)	at	4	and	12	weeks	Cardiovascular	events;	death,	myocardial	infarction,	stroke,	hospitalization	due	to	worsening	heart	failure,	unstable	angina	at	12	weeksAdverse	events	at	12	weeksSide	effect	at	12	weeksDiarrhea;	especially	notable	adverse	event	at	12	weeksOther Endpoints:Concentration	of	colhicine	in	plasma	(ng/mL)	feasible	facility	only	at	12	weeksConcentration	of	colhicine	in	white	blood	cell	(ng/1*109	cells)	feasible	facility	only	at	12	weeksヒチンの標的臓器は白血球であり、主な薬理作用は白血球活性化を低下させることである。我々の第Ⅰ相試験では、白血球活性化(マイクロチャネル上の接着)および遊離脂肪酸(FFA)により誘導される血漿ミエロペルオキシダーゼの増加は、健康な成人男性にコルヒチン0.5	mg/日を1週間投与することにより抑制された。したがって、これらの測定はコルヒチンの有効性の評価に適切である。血清中のhsCRPレベルが0.2	mg/dL2)を超えるアスピリンとスタチンを投与されているCAD患者において、1.0	mg/日のコルヒチンはhsCRPレベルを約60%低下させた。したがって、コルヒチンの抗炎症作用を評価するための主要エンドポイントとして、4週間後の血清hsCRPのベースラインからの変化とすることは合理的である。 FMDにより測定した血管内皮機能は、アテローム性動脈硬化症の真の代替マーカーには不十分であるが、これまでの様々な報告では冠動脈血管内皮機能と心血管イベントとの関連があることが示されている。さらに、以前の介入試験で、FMDで測定した血管内機能に対するコルヒチンの効果が炎症反応および内皮機能に対するコルヒチンの用量依存性効果の評価−白血球活性化を伴う冠動脈疾患合併2型糖尿病患者を対象としたランダム化二重盲検プラセボ対照第Ⅱ相試験−12週でピークになり、36週後との間で差がないことが明らかにされている。そこで、12週後に血管内機能をFMDで測定するように設定した。健常者に対する研究では、FFAにより誘導された白血球活性化は、直接脱顆粒によるミエロペルオキシダーゼの増加を介して血管内機能を低下させた。加えて、コルヒチンの安全性に対する二次エンドポイントは心血管イベントと下痢(既報の特に注目すべき有害事象)とした。投与量の根拠 本研究における0.5	mg/日の投与量は、日本における家族性地中海熱の承認用量である。欧米では地中海熱、痛風、心膜炎、ベーチェット病の予防には半量以下であるが、強い抗炎症作用がなく、白血球活性化の抑制効果があること、心血管疾患の研究で使用されていることなどから設定した。しかし、以前の報告では、①	0.5	mg/日の用量は10%以上の下痢を引き起こした。②	その頻度は用量依存性であった。③	長期処方は白血球中にコルヒチンを蓄積する可能性がある。そのため、低用量の6363
            
         
        
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