臨床薬理の進歩 No.41
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結  果修正)」、および「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針(2017年2月28日、一部改正)」に従った。なお、本試験実施にあたり、近畿大学病院、岡波総合病院、日本赤十字社和歌山医療センター、兵庫県立淡路医療センターの臨床試験審査委員会またはこれに該当する組織にて、倫理的、科学的な観点から試験参加の妥当性が審査され、承認された。統計解析項目および解析計画 すべての有効性評価において、最大の解析対象集団(FAS)における解析を主解析とし、参考として試験実施計画書に合致した解析対象集団(PPS)における解析を行う予定である。安全性の解析は、安全性解析対象集団における解析を実施する予定である。被験者背景 各解析対象集団における被験者背景データの分布および要約統計量を割付群毎に算出する。名義変数および順序変数については、カテゴリの頻度および割合を割付群毎に示す。連続変数については要約統計量を割付群毎に算出する。用いる検定は、名義変数については、カイ2乗検定(必要に応じてFisherの直接確率計算法)、順序変数については、Wilcoxonの順位和検定、連続変数についてはt検定(必要に応じてWilcoxonの順位和検定)を用いる。主要評価項目奏効割合(RR) FASを対象として、腫瘍縮小効果を評価しRRを算出する。最良総合効果がCR、PRのいずれかである被験者の割合をRRとし、その信頼区間を各群において算出する。さらにRRの割付群間差およびその信頼区間も算出する。割付群間の比較には、カイ2乗検定(必要に応じてFisherの直接確率計算法)を用いる。副次評価項目無増悪生存期間(PFS) FASを対象として、PFSについて、Kaplan-Meier法を用いて無増悪生存曲線を作成し、無増悪生存割合、PFS中央値の推定値およびその95%信頼区間をBrookmeyer and Crowlyの方法を用いて算出する。全生存期間(OS) FASを対象として、OSについて、Kaplan-Meier法を用いて生存曲線を作成し、生存割合、生存期間中央値の推定値およびその95%信頼区間をBrookmeyer and Crowlyの方法を用いて算出する。病勢制御割合(DCR) FASを対象として、腫瘍縮小効果を評価しDCRを算出する。最良総合効果がCR、PR、SDのいずれかである被験者の割合をDCRとし、その信頼区間を各群において算出する。さらにDCRの割付群間差およびその信頼区間も算出する。割付群間の比較には、カイ2乗検定(必要に応じてFisherの直接確率計算法)を用いる。有害事象の発現頻度と程度 安全性解析対象集団を対象に、症例毎の最高Gradeについて、Grade別の例数、発現割合を算出する。さらに、有害事象毎でのGrade 3-4およびGrade 4の有害事象発現割合を算出する。 2016年8月から2018年7月の間に目標症例60例のうち計26例の患者が登録され(標準用量GEM+nab-PTX併用療法群13例、低用量GEM+nab-PTX併用療法群13例)、第1段階で必要な症例数に達した。患者背景を表2に示す。26例の平均年齢は72.12歳で、男女比は11対15であった。転移臓器は肝臓が最多で26例中20例で肝転移が認められた。2例は術後転移再発症例であった。両群ともに、13例のうち3例以上の奏効例が認められ、早期中止基準はクリアした。現在、試験は第2段階に進み継続中である。46

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