臨床薬理の進歩 No.41
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L型カルシウムチャネル電流 )Fp/Ap( ytisned tnerruC)Fp/Ap( ytisned tnerruc +2aC10 µM l-cis-Diltiazem + l-cis-Diltiazem 治療候補薬であることを見出した。図3のようにバリウムイオンをチャージキャリアとしてL型カルシウムチャネルの不活性化障害に対する効果を見たところ、10 µM d-cis-Diltiazemの投与にて、カルシウムチャネル不活性化遅延が改善し(図3A)、活動電位持続時間の有意な短縮を認めた(図3B)。l-cis-Diltiazemとd-cis-Diltiazem(Herbesser®)のLQT8-iPS細胞モデルにおける薬効の違い 臨床で使用されているd-cis-DiltiazemをLQT8-図5 LQT8-iPS細胞由来心筋細胞を用いて記録したカルシウム電流ピーク値を細胞の膜電位で正規化した電流密度(pA/pF)を示している。横軸は、保持電位-40 mVから与えたパルスの電位の値であり、0 mV付近への脱分極時に、もっとも大きな内向き電流が発生する。A:10 µM l-cis-Diltiazem(n=9)、B:10 µM d-cis-Diltiazem(n=6)投与前後の電流-電圧関係。図6 LQT15-iPS細胞分化心筋におけるl-cis-DiltiazemのL型カルシウムチャネル電流への影響r100(ピークから100 ms後に残存しているカルシウム電流の割合)は10 µM l-cis-Diltiazemにより有意に低下し、カルシウムチャネル電流の不活性化遅延改善効果を示した。(n=8, *p<0.05)iPS細胞モデルに投与したところ、l-cis-Diltiazemとは異なり、L型カルシウムチャネルの不活性化遅延に対する改善効果は認められなかった(図4)。 図5に10 µMのl-cisおよびd-cis-DiltiazemのL型カルシウムチャネル電流-電圧関係への影響を示す。右のd-cis-Diltiazemが、約70%の強い電流ブロックを起こすのに対して、l-cis-Diltiazemは有意な電流抑制を示さなかった。以上のように、Diltiazemの2つの光学異性体は、全く異なった薬理作用を有することが示された。 28l-cis DiltiazemVoltage (mV)d-cis DiltiazemVoltage (mV)+ l-cis-DiltiazemAB****

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