臨床薬理の進歩 No.41
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)sm( noitarudVm02003rVm02 500 ms l-cis-Diltiazem 10 µM 500 msnormalized した。図2のように、LQT8由来分化心筋において、コントロールに比べ有意なバリウム電流の不活性化遅延がみられ、VDIの障害があることがわかった。図3 LQT8-iPS細胞分化心筋モデルにおけるl-cis-Diltiazemの不活性化遅延改善効果A:バリウムイオンをチャージキャリアとしてL型カルシウムチャネル電流を記録。r300: ピーク電流に対する300 ms後の残存カルシウムチャネル電流量の比。B:l-cis-DiltiazemのLQT8-iPS細胞モデルにおける活動電位短縮効果。nは解析細胞数、グラフは平均±標準偏差を示す。統計解析は、paired t-testを用いた。図4 LQT8-iPS細胞分化心筋モデルにおけるd-cis-Diltiazemの不活性化遅延に対する効果A:CACNA1C-A582D患者から作製されたiPS細胞由来分化心筋細胞を用いて記録したL型カルシウムチャネル電流(バリウムをキャリアとして使用)。10 µM d-cis-Diltiazem投与前(上)、後(下)。B:2つの電流トレースを重ね合わせて表示。薬剤は不活性化に影響を与えていないのが分かる。iPS細胞モデルを用いたQT延長症候群に対する新規Ca2+チャネル抑制メカニズムによる治療法開発0 mV0 mVLQT8-iPS細胞モデルにおけるl-cis-Diltiazemの薬効評価 このLQT8患者由来iPS細胞モデルを用いて、治療候補化合物のスクリーニングを行ったところ、臨床にて用いられる抗不整脈薬d-cis-Diltiazem(Herbesser®)の立体異性体l-cis-Diltiazemが有望な27l-cis Diltiazem (n=6)l-cis DiltiazemAPD50APD90l-cis Diltiazemp < 0.01p < 0.0116001400120010008006004002000 baseline, LQT8 (n=8) l-cis-Diltiazem, 10 µM (n=8)Voltage (mV)l-cis DiltiazemB. 活動電位記録 baseline, LQT8 APD A. バリウム電流記録l-cis

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