臨床薬理の進歩 No.41
40/216

AB Ap 002Vm02Vm 02* p < 0.0520 mV -40 mV -60 mV -80 mV 200 ms -40 mV 0 mV -80 mV ControlPatientLQT8(CACNA1C-A582D)患者由来iPS細胞における電気生理学的機能解析 CACNA1C-A582D変異を有するLQT症例より、iPS細胞を作製、分化心筋の電気生理学的機能解析を行った。パッチクランプ法にてL型カルシウムチャネル電流記録を行ったところ、健常人由来コントロールと比較し、患者由来分化心筋にてL型カルシウムチャネル電流の不活性化遅延を認め図1 LQT8-iPS細胞分化心筋におけるL型カルシウムチャネル電流、活動電位記録A:Control(健常人)とLQT8(CACNA1C-A582D)患者から作製されたiPS細胞由来分化心筋細胞において記録したL型カルシウムチャネル電流。下は両者の電流トレースを重ね合わせて表示。B:0.5Hzペーシング下の活動電位記録。nは解析細胞数、グラフは平均±標準偏差を示す。統計解析は、paired t-testを用いた。図2 LQT8-iPS細胞分化心筋におけるL型カルシウムチャネル電流記録(バリウムをキャリアとして使用)A:Control(健常人)とCACNA1C-A582D患者から作製されたiPS細胞由来分化心筋細胞を用いて記録したL型カルシウム・チャネル電流(バリウムをキャリアとして使用)。B:2つの電流トレースを重ね合わせて表示。(図1 A)、活動電位(action potential duration: APD)の延長を認め(図1 B)、QT延長症候群の表現型を再現できていると考えられた。 また、L型カルシウムチャネルの不活性化には、電位依存性不活性化(voltage dependent inactivation: VDI)とカルシウム依存性不活性化(calcium dependent inactivation: CDI)が関わっているとされており、VDIの要素を解析するために、細胞外のカルシウムイオンをバリウムイオンに置き換えてL型カルシウムチャネルを通る電流を計測26Normalized traces結  果ControlPatient0 mV-40 mV-80 mVInactivation tau0 mV500 ms0 mV500 ms0 200 ms 0.5 Hz pacingB. 活動電位記録 ControlPatientA. L型カルシウムチャネル電流記録

元のページ  ../index.html#40

このブックを見る