臨床薬理の進歩 No.41
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R2 = [1 - (Residual Sum of Squares) / (Corrected Sum of Squares)]結  果 PET画像は、体動補正後に3D-MRI画像と位置合わせを行った。各々の関心領域からtime-activity curve(TAC)データを抽出して、PMOD PKIN version 3.4に入力した。先ず、TACデータをsimplified reference tissue model(SRTM)を用いて、線条体におけるk2'を算出した8)。次に、SRTM2とk2'を用いて、各々の関心領域におけるbinding potential(BPND)を算出した9)。BPNDはアデノシンA2A受容体の発現量を反映する指標である。更に、PMOD PXMOD version 3.4を用いて、BPND画像を作成した。5)データ解析 IstradefyllineによるアデノシンA2A受容体占拠率を以下の式で算出した。受容体占拠率(%) = 100 × [(BPND at baseline) −(BPND at istradefylline-loading)] / (BPND at baseline) 体表面積(m2)をDu Bois式を用いて算出した10)。 アデノシンA2A受容体占拠率とistradefyllineの「用量」または「用量/体表面積」を以下の式に当てはめた。受容体占拠率(%) = α × [D / (D + ED50)] αは最大受容体占拠率、Dはistradefyllineの「用量」または「用量/体表面積」、ED50は最大受容体図2 健常群(HC)とパーキンソン病群(PD)におけるBPND比較(文献7を改変)線条体全体(whole striatum)、腹側線条体(ventral striatum)、尾状核(caudate)、被殻(putamen)におけるBPNDを○で表示した。縦のバーは[mean ± standard deviation(SD)]を表す。各領域において、健常群とパーキンソン病群の間で、有意差を認めなかった。占拠率の50%を示す値、をそれぞれ表す。2つのパラメーターであるαとED50はLevenberg-Marquardt法による非線形回帰分析から算出した。 受容体占拠率曲線の妥当性は以下の式を用いた分散分析により評価した。 2群間の比較は、t検定を用いて、有意水準をp<0.05に設定した。全てのデータ解析は、SPSS Statistics version 22を用いて行った。 パーキンソン病患者10例の臨床像を記した表1から、パーキンソン病患者の臨床像は不均一であることがわかる。Istradefylline-20 mg群(n = 5)とistradefylline-40 mg群(n = 5)の間で、年齢(p = 0.81)、体表面積(p = 0.48)、罹病期間(p = 0.09)、Unified Parkinson's Disease Rating Scale(UPDRS)運動スコア(p = 0.78)に有意差を認めなかった。また、パーキンソン患者(n = 10)と健常者(n = 6)の間で、年齢(p = 0.63)と体表面積(p = 0.25)に有意差を認めなかった。 パーキンソン病群では、1回目の11C-preladenant PET(baseline)におけるBPNDは、線条体全体:18

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