臨床薬理の進歩 No.41
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残存菌数 Streptococcus mutansの歯垢・バイオフィルムはナノバブル10分でかなり除去できた。蒸留水ではバイオフィルムは残存していたが、ドキシサイクリンのみでは大きな細菌塊の残存がみられ、ドキシサイクリン含有ナノバブルでは大きな細菌塊は消失したが、分散的に細菌の残存がみられた(図2)。−−+−−−−−−±++−−+−±+±++±++5505005505001010010002.5252502,000x 5.00μm WD: 10.6mm 2kV 2019/05/31 12.28:46 S2,400x 4.16μm WD: 9.0mm 2kV 2016/11/23 23.53:00 S2,300x 4.31μm WD: 9.0mm 2kV 2016/11/29 00.03:41 Sドキシのみ2,500x 4.00μm WD: 9.0mm 2kV 2016/11/29 00.38:20 Sドキシ+ナノ結  果結果濃度(μg/mL)適応前適応後およびTukey test(有意水準5%)を用いて行った。1. ドキシサイクリン含有ナノバブルによるStreptococcus mutansの歯垢・バイオフィルム除去2. ドキシサイクリン含有ナノバブルによる難治性根尖性歯周炎歯の除菌効果 ドキシサイクリン含有ナノバブルを適応した根管とドキシサイクリンのみを適応した根管は適応図2 バイオフィルムにおけるドキシサイクリン含有ナノバブルの効果A. 蒸留水 B. ナノバブルのみ C. ドキシサイクリンのみ D. ドキシサイクリン含有ナノバブル図3 根管内細菌数の経時的変化実線:ドキシサイクリンのみ破線:ドキシサイクリン含有ナノバブルPre :pretreatmentn=5、平均値± S.D.ナノバブル薬剤導入法を用いた難治性根尖性歯周炎治療表1 ダブルディスク法による薬剤感受性試験薬剤アンピシリンテトラサイクリンドキシサイクリンチゲサイクリン−:阻止円なし +:阻止円が12 mm以上のもの±:阻止円が12 mm未満のもの1回目で菌数を減少させたが、適応2回目以降は菌数が上昇した(図3)。3. 釣菌した細菌の各種抗生剤に対する感受性試験 ドキシサイクリン含有ナノバブルを適応する前の根管から釣菌した細菌と3回適応した後に釣菌した細菌のダブルディスク法による薬剤感受性試験を行うと、適応前に釣菌した細菌はテトラサイクリン、ドキシサイクリン、チゲサイクリンに阻止円の形成がみられたが、適応した後に釣菌した細菌はテトラサイクリンとドキシサイクリンに阻止円の形成がみられなくなった(表1)。4.ドキシサイクリン含有ナノバブルの歯への浸透 ブタ歯へのテトラサイクリンの薬剤浸透はナノ1110101010101010pre1st2nd3rdABCD7654320

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