臨床薬理の進歩 No.41
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ssisisoottppooppaassCCSSHH eevviittaaeeRRllTUNEL + desminTUNEL + desmin3.03.02.52.52.02.01.51.51.01.00.50.50.00.0****CDAHFDCDAHFD, CWHM-12CDAHFDCDAHFD, CWHM-12(P<0.05)(図2)。 Desminは活性化の有無にかかわらず全ての星細胞に発現していますが、このDesminの免疫組織染色とTUNEL染色の二重染色による検討では、CWHM12投与群ではアポトーシスに陥った星細胞が増加(P<0.01)していることがわかりました(図3)。これらの結果からCDAHFDにより肝臓の星細胞が活性化され、線維化が進んだ一方で、CWHM12の投与により肝星細胞がアポトーシスによる活性低下をきたし肝臓の線維化が改善したと考えられました。 肝星細胞の活性化因子であるTGF-βシグナルを検討するために肝臓におけるリン酸化Smad3蛋白とCtgf遺伝子の発現を評価したところ、共にCWHM12投与によってその発現が有意に低下していることを確認しました。これらの結果からRGDインテグリン阻害剤であるCWHM12によってTGF-βシグナルが阻害されたことにより肝星細胞のアポトーシスが誘導された結果、星細胞としての活性が抑制され、抗線維化作用をもたらしたと考えられますが、興味深いことに同薬剤治療後の肝臓の線維化所見は対照群との比較のみならず、治療前所見と比べても有意に改善して図3 DesminとTUNELの二重染色CWHM12の投与により肝星細胞のアポトーシスは増加した。N=10, Mean±SE. Student's t-test. **P<0.01いました(P=0.022)。したがってCWHM12は肝臓における線維化進展を抑制するだけでなく、既に存在する線維化を改善する作用を持つ可能性があります。またインテグリンはα鎖とβ鎖からなる二量体ですが、今回使用したCWHM12はRGDモチーフを持つ全てのインテグリン(αvβ3、αvβ5、αvβ6、αvβ8、α5β1、α8β1)に対して阻害作用を持ちますので、今回得られた結果において、これらのうちどのインテグリン●米国セントルイス大学肝臓センター留学記写真7 帰国直前にDr.Tetriの自宅に招かれた時の様子Dr. Tetri(左)、奥様(左から2番目奥)、息子(右から3番目手前)、妻(右から2番目)、私(右)。161

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