臨床薬理の進歩 No.41
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5j5jstcebus fo rebmuNstcebus fo rebmuN*:平均値±標準偏差*:平均値±標準偏差、**:中央値(最小、最大)25201510501001502002503003504004505005502520151010152025303540(ng/mL)250±85ng/mL*22±7 ng/mL*表1 臨床背景データn=80Age(years)Female, n(%)Hypertension, n(%)Type 2 diabetes mellitus, n(%)Smoking, n(%)ACS, n(%)LDL-C(mg/dL)HDL-C(mg/dL)Triglyceride(mg/dL)HbA1c(%)eGFR(mL/min/1.73m2)n=80(ng/mL)表2 脂質低下薬剤使用状況Rosuvastatin/Pitavastain(%)High-intensity statin, n(%)Reduction of LDL-C(%)結  果n=8080/2036(45)40±20*n=80後に血液試料を採取し、所属施設のバイオバンクに冷凍保存した。また、LDL-Cを含む脂質マーカーも併せて測定した。尚、スタチンの種類、投与量は担当医の判断に委ねられた(図1)。PCSK9サブタイプ測定 スタチン投与前ならびにスタチン投与から1ヶ月後に採取した血液試料を用いて、成熟型ならびにfurin-cleaved型PCSK9を、BML社のELISAを用いて測定した(図1)。このELISAにおけるinter-assayならびにintra-assayの変動係数は、mature PCSK9: 7.7%、2.2%、furin-cleaved PCSK9: 5.6%、2.1%である。また測定下限ならびに上限値は、mature PCSK9: 3.9、20,000 ng/mL、furin-cleaved 血液中Proprotein Convertase Subxilisin/Kexin Type 9(PCSK9)サブタイプ濃度が脂質低下薬剤の反応性・心血管イベントリスクに及ぼす影響の検証研究67±13*20(25)55(69)40(50)52(65)52(65)125±38*50±13*107(73, 161)**6.4±1.3*72±22*図2 Mature型、Furin-cleaved型PCSK9の分布*:平均値±標準偏差PCSK9: 0.7、300 ng/mLである。統計解析 t検定を用いて、baselineならびに1ヶ月後のPCSK9サブタイプ値を比較した(図3)。LDL-CとPCSK9サブタイプの関係は、回帰分析を用いて解析した(図4)。重回帰分析を用いて、LDL-C変化率に寄与する因子を解析した(表3)。ROC曲線解析を用いて、LDL-C低下不良を予測するmature PCSK9のカットオフ値を同定した(図5)。統計解析はJMPを使用した。1. 対象症例 本研究の対象症例の臨床背景を表1に示す。平均年齢は67歳、男性の割合は75%であった。高血圧、2型糖尿病ならびに喫煙歴の合併頻度は、それぞれ69%、50%、65%であった。対象症例の65%は急性冠症候群(ACS)を発症していた。登録時の脂質143143Mature PCSK9 Furin-cleaved PCSK9

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