臨床薬理の進歩 No.41
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UPN1UPN2UPN3UPN4UPN5UPN6BMDonorRecipientNANANANANANAT−cell (PB)100%50%0%day14100%50%0%day14100%50%0%day14100%50%0%day14100%50%0%day14100%50%0%day14図4 症例ごとの生着までのカイネティクス左段が骨髄、右段が末梢血T細胞のキメリズム。経過良好な5例ではday28において骨髄で完全ドナー型となり、末梢血でもday56ではドナー優位となっていた。生着不全となった症例では末梢血T細胞は一貫してレシピエントタイプであった。100%50%0%day14100%50%0%day14100%50%0%day14100%50%0%day14100%50%0%day14100%50%0%day14day28day56day28day56day28day56day28day56day28day56day28day56EBMT試験においても、生着不全3例中2例はAUC<45 mg/L×hであったと報告されており、CGDに対する移植においてはBUは45-55 mg/L×hが最適と考えられる。 合併症についても、急性期の合併症は許容範囲と考えられた。GVHDについては1例でextensiveな慢性GVHDを発症していたが、HLA完全一致ドナーからの移植であり、誘因は不明である。現時点では、GVHDに関する有望な対処法はなく、本レジメンで用いられる用量調整BUにおける晩期合併症の評価は必須と考えられる。結語 用量調整BUを用いた前処置はCGDに対する非小児の造血幹細胞移植前処置におけるブスルファン投与法の最適化day28day56day28day56day28day56day28day56day28day56day28day56血縁者間移植の標準的な方法となりうると考える。本試験の結果を受けて、同様のレジメンを用いた多施設共同第Ⅱ相試験「用量調整ブスルファンと抗胸腺グロブリンを併用した骨髄非破壊的同種造血幹細胞移植の多施設共同第Ⅱ相試験 (UMIN000030647)を現在実施中である。2. BUに併用する抗けいれん薬の比較検討背景 BUはHSCT時に前処置として広く用いられる薬剤であるが、血液脳関門を容易に通過するため、中枢神経内の濃度が高くなりやすく、しばしばけいれんなどの神経症状を呈する8)。したがってBU129129

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