臨床薬理の進歩 No.41
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--15)15)15)15)15)15)15)15)15)15)1123.523.56.1815.4515.4515.3115.3115.310.50917.491Lm/gn 601 ×(Lm/gn( noitartnecnoC amsalP lanitsetnnoitartnecnoCiortsaG)0)00(A)表3 ラット消化管内水分パラメータCompartmentOral cavity compartmentEsophagus compartmentGastric compartment 1Gastric compartment 2Duodenal compartmentJejunal compartment 1Jejunal compartment 2Ileal compartment 1Ileal compartment 2Ileal compartment 3Cecum compartmentColonic compartment(文献12より改変)図12  Transit Compartment Modelを用いたtalinololのヒト吸収動態シミュレーションTalinololのヒト経口投与後の(A)血漿中濃度推移および(B)消化管内濃度推移。 Horizontal dotted line: P-gpに対するtalinololのKm値(0.196×106 ng/mL [538 µM])。(文献11より改変)考  察VolumeUnitmLmLmLmLmLmLmLmLmLmLmLmL(B)Referenceの血中濃度シミュレーションを試みたところ、予測値は実測値と一致した良好なシミュレーション結果が得られた(図12A)。また、talinololの消化管内濃度について観察を試みたところ、Km値に比べ顕著に高い消化管内濃度が観察され、P-gpの著しい飽和が示唆された(図12B)。したがって、高い消化管内濃度に起因してP-gpが飽和し、その吸収性が亢進している可能性が推察された。 薬物の消化管吸収過程は消化管内での薬物濃度に依存するため、薬物が消化管内でどの程度の水分消化管水分挙動解析に基づく薬物吸収動態変動(相互作用)予測法の確立に溶解し、どの程度の濃度で存在するのかを理解することは、薬物の吸収動態やその相互作用を考える上で極めて重要となる3,10〜12)。しかし、服用された水分はそれ自体が吸収される上、消化管内には生体液の分泌も生じるため、その吸収/分泌速度や部位差などを考慮した場合、消化管内水分挙動やその薬物吸収への影響は極めて複雑になる。また、薬物を食後に服用する場合や、水以外の飲料(ジュースやお茶など)で服用する場合は、消化管内水分動態が変化し、薬物濃度変動とそれに伴う吸収変動(見掛けの相互作用)が生じる可能性が考えられる5〜8)。そこでまず、溶液の違いに起因した水分動態変動とその薬物吸収への影響に関する定量的な解析を97Oral CavityEsophagusStomach 1Stomach 2DuodenumJejunum 1Jejunum 2Ileum 1Ileum 2Ileum 3CecumColon24363002502001501005012Time (h)2436484.03.02.01.00.012Time (h)48

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