臨床薬理の進歩 No.41
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( reta fonoitcarFgnniameRnoitartnecnoCMμ( lolonetA lanmuL fofodebrosbAnoitcarF( lolonetA)%W i 0i) )%**0HyperosmoticPurified waterApple juicesolutionHyperosmoticPurified waterApple juicesolutionHyperosmoticPurified waterApple juicesolutionHyperosmoticPurified waterApple juicesolutionHyperosmoticPurified waterApple juicesolutionHyperosmoticPurified waterApple juicesolutionHyperosmoticPurified waterApple juicesolutionHyperosmoticPurified waterApple juicesolutionHyperosmoticPurified waterApple juicesolution****************************20015010050Jejunum302520151050Jejunum10080604020JejunumIleumColonIleumColonIleumColon(A)(B)(C)図6  ラット消化管内浸透圧に起因した水分動態変動とそのatenolol-AJ間相互作用への関与Atenolol水溶液、AJ溶液およびmannitol高張溶液の投与後30分における(A)水分残存率、(B)消化管内濃度および(C)吸収率。 Atenolol: 10 μM. Significantly different at *P < 0.05, **P < 0.01(one-way ANOVA followed by Tukey's multiple comparison test). Data are shown as means ± SEM(n = 6-9).(文献11より改変)In vivo経口投与後のatenolol血中濃度に及ぼす溶液浸透圧の影響 In vivo経口投与実験により、atenololの血中濃度推移に及ぼす精製水、AJおよびmannitol高張液(AJと同浸透圧に調製)の影響について検討を行った(図7、表1)。その結果、精製水の投与時に比べAJの投与時においてAUC0-9およびCmaxがそれぞれ浸透圧の影響に関する検討を行った(図5)。その結果、antipyrineの投与後30分における消化管内水分残存率は、atenololの結果と矛盾なく、水溶液で顕著に低くなった(すなわち高い水分吸収率が観察された)(図5A)。しかし、薬物濃縮は観察されず、消化管内濃度はいずれの部位も顕著に低く、水溶液およびmannitol等張溶液間においても有意な差は観察されなかった(図5B)。興味深いことに、antipyrineの吸収率においても水溶液およびmannitol等張溶液間で有意な差は観察されず、いずれの部位も高い吸収性を示した(図5C)。消化管内浸透圧に起因した水分動態変動とその薬物-飲料間相互作用への関与 AJの併用により薬物の血中濃度が著しく低下することが報告されているatenololを用い、精製水、AJおよびmannitol高張溶液(AJと同浸透圧に調製)の投与時における消化管内水分動態変動とその薬物吸収への影響について検討を行った(図6)7)。その結果、atenololの投与後30分における消化管内水分残存率は、水溶液に比べAJおよびmannitol高張溶液で顕著に高くなり、いずれの部位においても明らかな水分分泌傾向を示した(図6A)。また、水分分泌に伴った薬物希釈(すなわち消化管内濃度低下)も観察され、さらに、AJおよびmannitol高張溶液においてatenololの吸収率の著しい低下が観察された(図6B、C)。特に、AJとmannitol高張溶液との間でatenololの吸収率に有意な差が観察されなかったことから、溶液浸透圧に起因した水分動態変動が、見掛け上、薬物-AJ間相互作用の一因となっている可能性が推察された。消化管水分挙動解析に基づく薬物吸収動態変動(相互作用)予測法の確立63.2%および59.9%に減少し、さらに、mannitol高張液の投与時においてはそれぞれ26.4%および24.5%に減少した。全ての条件下において、atenololのt1/2およびtmaxに変化は観察されなかった。93

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