50年のあゆみ
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50年の歩み、未来への処方箋城西国際大学 イノベーションベース 特別栄誉教授東京大学 名誉教授理化学研究所 名誉研究員杉山 雄一50周年、誠におめでとうございます! 半世紀もの間、臨床薬理研究の発展を支え続けた財団の歩みは、まるで優れた薬のように、じわじわと、しかし確実に日本の医療と臨床薬理の発展に効いています。その効果たるや、副作用ゼロ、むしろ希望と知的刺激をもたらすという、まさに理想の処方ですね。 私自身も、幾度となく財団からの財政的な支援を受け、理事の方々から大いに刺激を受けたことを鮮明に覚えています。こうした経験は、私をより一層の努力へと駆り立て、財団やその他の学会から認められることを目指して、さらに研鑽を積む原動力となりました。 私も2005年から財団に関わり、評議員・理事としてその歩みを見守ってきました。その間、私の所属は東大、理研、城西国際大へと移りましたが、財団の支援が変わらぬ情熱で研究者を励ましている姿には、いつも感動させられました。年間約1億円の基金を投じての支援は、まさに「研究者のビタミン剤」。これがなければ、多くの若手研究者は低血糖状態に陥っていたことでしょう。実際、多くの若手研究者の挑戦を後押しし、世界に羽ばたく機会を提供しています。 研究助成、海外留学支援、学術講座などを通じて、財団は単なる資金提供機関を超え、日本の医学・薬学の未来を支える「成長促進剤」となっています。この50年の成果を称えるとともに、これからの100年にわたる「未来への処方箋」の効果にも期待しています。 財団のさらなる発展と、関係者の皆様のご健康とご繁栄を心よりお祈り申し上げます。改めて、この素晴らしい節目をお祝い申し上げます!50周年に寄せて 臨床薬理研究振興財団設立50周年を祝して京都大学 名誉教授元 京都薬科大学 学長一般社団法人 日本薬学教育学会 理事長乾 賢一臨床薬理研究振興財団は1975年に設立され、我が国の臨床薬理学研究・教育の推進に大きく貢献され、この度50周年を迎えられ誠におめでとうございます。 私は、東京医科歯科大学で4年間、京都大学で16年間、教授・薬剤部長を務めましたが、この間(1990~2010年)の国立大学病院の諸問題や薬剤部の共通の話題は、枚挙にいとまがない、まさに激動の時代でした。これを予見して、1975年に文部省の施策として、全国国立大学病院薬剤部長の専任教授職化が認められ、年次進行の形で42大学に広がり、薬剤部が業務のみならず教育・研究を担当する部署として整備され、種々の改革が進展しました。また、2006年に6年制薬学がスタートし、薬学教育関係者は苦難を乗り越えながら、新しい薬学教育制度の構築に取り組んできました。 このような状況において、多くの薬剤部関係者が臨床薬理研究振興財団から研究助成金の恩恵を受け、薬剤部での新しい研究を展開することができました。研究報告会などでは医学・医師との活発な交流が深まり、若い薬学研究者・薬剤師のモチベーション向上や新たな研究に繋がっています。海外留学助成金制度は、安定した留学生活を続ける上で有効であり、他流試合に強い人材育成に大きく貢献しています。 私は、第12回(2019年)、第17回(2024年)研究報告会において「まとめ・講評」を担当させていただきました。医薬品の適正使用、副作用の防止を推進するために、サイエンスとしての臨床薬理学の重要性を痛感しておりましたが、医学、医師の貢献に比べて薬学、薬剤師の寄与は少なかったように思います。しかし最近は薬学・薬剤師の活躍も目立つようになってきました。2006年に始まった6年制薬学教育によって、大学教員、薬剤師の意識も変わってきました。 臨床薬理研究振興財団の多大なご支援・ご貢献に感謝すると共に、次世代に向け引き続きご支援を賜りますようお願い申し上げます。50周年に寄せて2950周年に寄せて39

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