50年のあゆみ
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人類の生存と健康な存在の為に更なる展開を祈ります上海科技大学 教授東京大学 名誉教授慶應義塾大学医学部 客員教授御子柴 克彦『人間の健康な生存』こそがあらゆる活動の基本であります。この人間の健康な生存条件を確保し、その基盤を確立しなければなりません。長期的に人類の健康な生存を確保する為の高度な研究およびその開発や、社会へ応用できる技術の開発等を行う研究が必要不可欠であります。 科学技術の目覚ましい発展により、『生命』を対象とする新しい科学、即ちライフサイエンスが確立され、数多くの成果を生み出してきました。一方で最近における驚くべきライフサイエンスの進歩を眺めるとその技術発展が地球環境を大きく変えてしまい人間の存在する環境状況を変え、その結果、人間の健康も大きく環境の影響を受けております。その為に人類の地球上での『生存』則ち『健康』を正面から採り上げる『生存科学』的な考えが重要となっています。地球上の多くの生命の1つの人間という状況から、地球の環境をも変えうる存在としての人間としての捉え方をして、倫理的にも律する必要が出てきました。『臨床薬理研究振興財団』は現在要求されている役割を先取りして、それを実践してきたのではないでしょうか。『臨床薬理研究振興財団』のこれまでの臨床薬理に基づく生命科学へのサポートを50年間もの長きにわたり継続されたことは大変な事であります。そして最大限の感謝の意を表したく存じます。ここに臨床薬理研究振興財団が更に発展されて人類の生存と健康な存在の為に一層貢献され、財団の目指しているわが国の医学・薬学の発展と国民の保健衛生向上に尽されることをお祈り申し上げます。 極めて重要な研究分野、臨床薬理公益財団法人 微生物化学研究会 理事長柴﨑 正勝臨床薬理研究振興財団50周年、誠におめでとうございます。50周年という事ですので、本財団の出発時期は、小生が東大で博士号を取得後、日本で職なしでハーバード大学化学科に博士研究員として留学中の時期にあたります。3年間の留学後、新設の帝京大学薬学部、北大薬学部、東大薬学部を経て、現在の(公財)微生物化学研究会で研究を行っております。私の研究分野は触媒的不斉合成であり、臨床薬理分野とは、左手と右手位異なる分野であります。このような状況でありますが、私が30年間薬学部の教員であった関係で、光栄にも臨床薬理研究振興財団の評議員を仰せつかっております。研究分野は全く異なるのですが、毎年の研究報告会には出席させていただいており、いつも興味深く講演を拝聴させていただいております。微妙な点は理解できにくい点もありますが、私のような立場の人間にもかなり理解でき、その結果、臨床薬理分野の重要性を認識させていただいております、臨床医の方々と病院薬剤部の方々が同じ場所で講演される、この点が本財団の研究報告会の最大の特徴であると考えます。毎回このように講演を楽しむ立場でありましたが、数年前に事務局から仰せつかった講演会終了後の評議員としての講評には大変な苦労を致しました。専門外の人間が講演を楽しむ事と講評をすることでは雲泥の差があります。各講演を前もって必死に理解し、講評に備えました。私の78年の人生の中で臨床薬理をごく短期間でありましたが、最も集中的に勉強した時期であります。このような機会を与えて下さいました事務局の方々に、今では感謝の気持ちで一杯です。50周年に寄せて2850周年に寄せて50周年に寄せて3850周年に寄せて

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