50年のあゆみ
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九州大学病院 薬剤部集中講座記録集が、振り返ってみると改善点が多く、これまでの臨床研究を顧み、今後より良い臨床研究を実施したいという渇望から、本講座に参加させていただきました。本講座では、ご高名な先生方による事前講座学習の豪華な時間と、頭の体操をさせていただく試験企画演習でしたが、何よりもグループメンバーとの共同作業を通じたコミュニケーションが有意義でした。また、若いメンバーの臨床研究に対する情熱の高さも特に印象に残り、そういった刺激を受けることができた貴重な時間でした。講座終了後には臨床研究についての相談や交流もあり、貴重な繋がりを築くこともできました。2023年にはファシリテータとしても参加させていただきましたが、現在、私は臨床研究支援を実施する部門でも勤務しており、本講座で学んだ臨床薬理学の知識を最大限に活用し、また、受講者およびファシリテータとして得た経験を通して、研究者の情熱を保ちつつ、さまざまな診療科の臨床研究企画・立案に大いに活用させていただいております。今後は、この講座を後輩たちはじめ周りにも広げるとともに、臨床薬理学の発展に貢献し、恩返しをしていきたいと思っています。長谷部結衣このたび、臨床薬理研究振興財団が設立50周年を迎えられたことを心よりお慶び申し上げます。私は、2023年に開催された第Ⅲ期・第7回臨床薬理学集中講座(Web開催)に参加させていただきました。CRCとして勤務したのち、産休育休を経て治験薬管理業務に従事し5年目となり、さらに深く臨床試験を支援していきたいと考えていた中、本講座のことを知り参加を希望いたしました。e-learningでの臨床薬理学講義は、業務や子育ての隙間時間で受講できたため、時間に制約がある中でも日頃より理解を深めたいと思っていた臨床薬理学を効率的に学ぶことができ、たいへん有意義なものでした。さらに、Web会や企画立案演習において、普段プロトコルに則り治験を遂行するのとは逆のアプローチで試験を組み立てる経験を通して、これまで学んできた知識がより実践的なものになったと感じます。企画立案演習において、他の受講生やファシリテータの先生方とさまざまな制約にとらわれることなく、研究デザインについて討論することは掛け値なしに楽しく、臨床研究を計画することの魅力や患者さんを中心とした臨床研究の重要性を再認識する良い機会となりました。さらに、身近なところに臨床研究の題材はあふれており、そういった題材を見逃さず多面的に検討することの重要性、そして面白みに改めて気付かされた一日となりました。今回、中野先生をはじめファシリテータや講師の先生方の熱意あふれる集中講座を受講させていただき、講義や演習で培った臨床薬理学の知識やプロトコルへの理解が日々の試験薬の調剤・鑑査における副作用モニタリングや、試験薬管理プロセスの構築に活かされていると感じています。今後も研究者の支援を通してアカデミアの薬剤師として、微力ながら臨床薬理学の発展に貢献できるよう邁進する所存でございます。最後になりましたが、臨床薬理研究振興財団のますますのご発展をお祈りし、お祝いの言葉とさせていただきます。臨床薬理学集中講座を受講させていただいて(2023年第3期第7回受講)118

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