1050周年に寄せて臨床薬理研究振興財団設立50周年、誠におめでとうございます。そして、今まで財団運営を支えて来ていただいた関係者の皆様、ありがとうございました。 私は2015年から理事や評議員として財団の運営に関わらせていただきました。その機会に、財団の活動が実に多くの方々の大きなご支援・ご協力によって支えられ、発展してきたことを肌で感じました。それはお金では買うことのできない、熱い想いでしか繋ぐことが出来ないものだと思っています。その意味で、改めて関係者の皆様のご支援に心から深く御礼申し上げます。 当財団は、発足当初から基礎と臨床を繋ぐ日本の臨床薬理学を世界一流の水準に引き上げることと研究者の方々が海外留学を通じて世界トップクラスの研究者としてグローバルに活躍されることを目的とし、日本臨床薬理学会と強い連携を保って活動してきました。そして、この50年にわたる活動で多くの研究者の方々のご支援をすることが出来ました。財団活動の具体的な形は時とともに充実し、現在は①研究奨励金の交付、②海外留学助成金の交付、③若手研究支援、④臨床薬理学集中講座の実施、⑤臨床薬理研究財団賞の贈呈などになり、それぞれの規模も拡大しています。しかし、研究奨励金をとってみても、30件近い該当者を選ぶために要する膨大な審査過程は関係の先生方のお力に大きく依存してきました。交付顕彰候補者の評価・選定、集中講座の講演・カリキュラムの構築もしかりです。 私はNEXUS HAYAMA(湘南国際村)で行われた講義の一部に参加する機会がありましたが、とくに臨床試験企画立案演習は手作り感満載で、演習課題に「笑いの有効性評価」を見つけたときは、私自身もそのまま参加してみたい強い衝動にかられたことを記憶しています。これらの素晴らしい活動内容は、全てご指導いただいた先生方の熱い想いの現れだと思っています。 製薬企業の立場から今後の新薬開発を考えますと、今まで生活習慣病など多くの疾病分野で優れた新薬が産み出され治療満足度が高まった一方で、今後は低分子からバイオ医薬品さらに遺伝子治療や細胞治療などにモダリティが大きくシフトし、国内市場の成長が鈍化することから世界に通用する新薬開発が企業の存続に不可欠になっていくものと確信しています。 その意味で、今後、世界の先端を行く橋渡し研究の重要性はさらに高まり、臨床薬理研究振興財団の果たすべき役割も益々大きくなるものと考えます。財団の一層の発展を祈念し、また関係の先生方の引き続きのご支援を心よりお願い申し上げます。元 第一三共株式会社 代表取締役会長元 公益財団法人 臨床薬理研究振興財団 理事長公益財団法人 臨床薬理研究振興財団 評議員中山 讓治臨床薬理研究振興財団設立50周年に寄せて50周年に寄せて150周年に寄せて50周年に寄せて
元のページ ../index.html#12