聖マリアンナ医科大学 薬理学 准教授集中講座記録集2019年8月に開催されました第4回臨床薬理学集中講座に参加させていただきました。翌年からはとがたびたびあります。論理的に妥当と考えられることもエビデンスが十分でないために治療の選択肢から外れることもあり、エビデンスを構築して発信していく必要があることを常々感じていました。しかし、私は研究経験が乏しく、目前にある疑問に対し臨床薬理学的なアプローチが必要であることを漠然と理解していても、実際にどのように思考し手を動かしていくのか分からず足踏みしている。集中講座に参加したのはちょうどそんな時でした。第4回臨床薬理学集中講座はコロナ感染拡大の前年に、受講生が一堂に会して開催されました。3日間みっちり組まれた濃密な講義と班ごとに取り組んだ臨床研究立案は、まるで学生時代に戻ったようであり、日常の仕事とは違った充実感を味わいました。講義の間の休憩時間に講師の先生へ質問したり、思いがけない再会があったり、毎食ごとに異なる先生と同席しながらさまざまな分野の先生とコミュニケーションを取ることができ、繋がりが広がったことは大きな財産です。また、この集中講座には「臨床研究を学びたい」という意識を持った先生方が参加されているため、3日間を通して私自身も非常に大きな刺激を受けました。「鉄は熱いうちに打て」というように、集中講座受講後すぐに新生児を対象とした臨床研究を立ち上げて取り組みました。ほぼ臨床研究素人で途方に暮れていた私にとって、集中講座の受講が、クリニカル・クエスチョンから臨床研究を立ち上げ、遂行し、そして論文という形にできたことの最初の一歩であったと感じています。臨床薬理学集中講座で学んだ臨床研究を実践する知識やスキルを基に経験を活かし、そして集中講座を通して新たに広がった先生方との繋がりを大事にしながら今後も小児領域の研究に従事し、その成果を臨床現場へ還元していきたいと考えています。木田 圭亮臨床薬理研究振興財団、50周年おめでとうございます。多くの関係者の尽力により、歴史が刻まれてきたと思うと、本学も2021年に創立50周年を迎えましたので、勝手に親近感を覚えました。さて、臨床薬理学集中講座との関わりですが、2018年11月に循環器内科より薬理学へ異動になり、COVID-19の影響によりWeb開催になりましたので、現状では現地開催、最後の「NEXUS HAYAMA」組となります。私が薬理学へ異動する際、薬理学主任教授の松本直樹先生も同じ循環器内科の医局の先輩であり、学外にも循環器内科医でありながら臨床薬理の分野で活躍されている先生方も存じあげておりました。さらに循環器内科の専門分野が心不全だったこともあり、心不全治療薬に関する臨床研究なども経験していましたので、新しい分野ではありましたが、そこまで不安はありませんでした。それでも臨床薬理学集中講座へ向かう道中は、どんなメンバーが集まり、どんな雰囲気なのかなどいろいろ考えながら向かったことを覚えています。翌朝、浜松医大の渡邉裕司先生の「臨床薬理学とは?」は、循環器内科の臨床研究を例に講義されていたこともあり、非常に分かりやすく、最初の講義で、臨床薬理の世界に飛び込んで良かったと感じました。以降の講義内容も素晴らしかったですが、今となっては、2泊3日を参加者と一緒に食事をしながら行った臨床研究のワークショップや、夜な夜な語り合った飲み会も良い思い出です。第4回は一受講者として参加したのですが、第5回からはファシリテータ、まさかの総合司会をさせていただいております。そのおかげもあり、臨床薬理学集中講座の関係者、受講者と多く知り合うことがで臨床薬理学集中講座の受講者からファシリテータまで(2019年第2期第4回受講)116
元のページ ../index.html#118