50年のあゆみ
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琉球大学医学研究科 臨床薬理学講座 准教授集中講座記録集たところでもあり、改めて臨床薬理学を学習しようと思ったからです。実際に受講してみると、90分講義の連続、食堂で集合しての食事、夜遅くまでの懇親会等、葉山での環境はまるで合宿のようであり、学生時代を彷彿とさせるものでした。お手伝いの立場があり、「臨床試験企画立案演習」はグループから抜けましたが、これまで学外の方と交流する機会を持たなかった私にとってはとても新鮮でした。ここで知り合った方々とは、日本臨床薬理学会学術総会や他の活動の場で顔を合わせれば挨拶するようになりますので、徐々に人との交流が増えていきます。驚いたことといえば、お手伝いで参加した回で大学の同期と再会したことです。このように、臨床薬理学集中講座は人と人とのつながりの場となるのです。一方で、財団の皆さまは、臨床試験企画立案演習後、各班から提出された資料を翌朝の講義前までに講師の先生方が確認できるよう、毎回深夜にまで及ぶ作業をされておられました。また、開講前から開講後まで細部にわたりご準備いただき、財団の皆さまには本当に感謝の念が尽きません。新型コロナウイルス感染症の蔓延以降はWeb開催となりましたが、Webだからこそ参加できる先生方もおられることから、新しい交流のあり方を模索しながらも臨床薬理学集中講座の継続をお願いするとともに、臨床薬理研究振興財団のますますのご発展をお祈り申し上げます。徳重 明央財団設立50周年おめでとうございます。2018年のコロナ禍前年にNEXUS HAYAMAで開催された第3回臨床薬理学集中講座に参加させていただきました。富士山や横須賀湾を望む自然に囲まれた非常に環境の良い施設で、沖縄から渡航した私はその雄大さにまず感銘を受けました。この集中講座は、臨床薬理学の基礎から応用まで幅広い知識を学べる貴重な機会でした。専門の先生方による講義は非常に内容が濃く、最新の研究成果や臨床試験のデータに基づいた実践的な知識を学ぶことができました。受講当時、私は臨床薬理学の基本的な概念をある程度理解していましたが、この講座を通じて、薬剤の体内動態、薬効薬理学、薬物相互作用、個別化医療など、より高度なトピックについて深く学ぶことができました。特に印象に残っているのは、薬剤師さんなど多職種のチームで取り組んだ臨床試験企画立案演習でした。医師の視点だけでなく、さまざまな視点からの意見を伺うことは重要であり、研究のシミュレーションにおける重要性を体感することができました。さらに宴会では、同じ目的を持つ仲間と情報交換を行い、互いに知識を深め合うことができたのは、非常に刺激的な経験でした。やはり対面ではお互いの空気や場の雰囲気を感じることができ、Web開催では味わえないものかなと思います。この講座を受講してから数年が経ちますが、そこで学んだ知識と経験は今日の私の業務に直結しています。元々循環器内科であった私は、その後の臨床薬理専門医取得、琉球大学臨床薬理へのキャリア形成へとつながりました。特に、臨床試験の重要性についての理解は、自身の研究や研究支援の基盤となっています。これからの受講生の皆さんへのメッセージは、この集中講座を単なる一時的な学びの場と捉えるのではなく、自らの専門知識を深め、キャリアを発展させるための貴重なステップとして最大限に活用することをお勧めします。講義の内容を積極的に自分のものにし、他の受講生や講師との交流を通じて視野を広げ、自分の専門分野における新たな可能性を見いだせることと思います。最後になりましたが、貴重な経験をさせていただき誠にありがとうございました。今後も臨床薬理学の発展のため微力ながら寄与でき専門知識と視野を広げた臨床薬理学集中講座(2018年第2期第3回受講)114

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