竹ノ下祥子この度は臨床薬理研究振興財団が設立50周年を迎えられたこと、心よりお慶び申し上げます。貴財団に最初にお世話になったのは、2001年に開催された第5回集中特別講座でした。当時私は聖マリアンナ医大薬理学にてラットの脂質代謝や、ヒト遺伝子多型の研究に携わりながら、附属病院にてCRCを始めていました。自分の知識不足から臨床薬理学全般にわたり深く学ぶ必要性を痛感し、受講を決めました。著名な先生方ばかりの講義は、とても分かりやすく、特に、臨床薬理の歴史はここで初めて詳しく学び、とても印象深かったです。講義終了後は、最終日の発表に向けたグループワークに追われましたが、さまざまな情報・意見交換ができ、チームワークで演習をやりきった充実感、達成感はひとしおでした。このように幅広く基礎から最新情報まで何日もかけて仲間と学ぶ機会は、この講座だけでした。ほかにも、集合場所の三島駅からマイクロバスでどんどん人里から離れ、到着した森の中の研修施設では携帯電話の電波がほぼ届かなかったこと、個室として使った3人部屋、施設内ですれ違う社員の礼儀正しい挨拶、起床時間等に流れる全館放送、全講義が毎回座席指定制だったこと、売店がなくグループの皆で分けて食べたアーモンドチョコが身に染みたこと、さまざまなことが思い出されます。集中特別講座の受講生と聞くと、別の回の受講生でも親近感が湧くのは、このような充実した特別な経験の共有者だからだと思います。この受講を通して得た知識、経験、絆は、間違いなく私の中で活き続け、貴財団からの研究奨励金や研究大賞のご支援に繋がったものと思います。現在は、昭和大学にてCRCや医師主導治験のプロジェクトマネジメントに携わっており、今後も少しでも臨床薬理に貢献できるよう努力してゆく所存です。末筆ながら、貴財団のご支援に感謝申し上げるとともに、ますますのご発展を祈念申し上げます。肥田 典子臨床薬理研究振興財団設立50周年、誠におめでとうございます。第Ⅱ期集中講座受講生を代表して、体験記を書かせていただくことになりました。私は2016年に臨床薬理学集中講座に参加させていただきました。受講のきっかけは、同年4月に臨床医から臨床薬理の教員となったため、自身の知識を整理するため参加を希望しました。特に本講座の目玉である「臨床研究企画立案演習」では、ほかの受講生との懇親を深めながら、研究立案のコツを学習することができました。この演習では資金や時間、研究実施体制などに問題がなかったと仮定し、PICO/PECOのそれぞれの要素の検討を行うことによって、クリニカルクエスチョン(CQ)からリサーチクエスチョン(RQ)へ構造化する際の要点を理解できました。また、医師・薬剤師といった職種やバックグラウンドが異なる者が集まってディスカッションをすることにより、研究計画を俯瞰することができました。現在、私は薬学部で臨床研究教育に携わっておりますが、集中講座で学習した内容昭和大学 臨床薬理研究所 講師昭和大学病院 臨床研究支援センター CRC昭和大学薬学部 臨床薬学講座 臨床研究開発学部門 教授集中講座記録集東富士研修所での集中特別講座の思い出(2001年第1期第5回受講)臨床薬理学集中講座に参加して(2016年第2期第1回受講)112
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