50年のあゆみ
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聖マリアンナ医科大学 薬理学 主任教授国立研究開発法人 国立がん研究センター 研究所 分子薬理研究分野 分野長基盤的臨床開発研究コアセンター センター長 薬効試験部門 部門長先端医療開発センター 臨床薬理トランスレーショナルリサーチ分野 分野長集中講座記録集まざまな化学変化を起こすきっかけとなる講座であると私は考えます。今後とも、これから活躍する後進のためにも、臨床薬理研究振興財団には彼らに学びの機会を与えていただき、臨床薬理学の進歩を下支えいただくことを切に願います。松本 直樹私と臨床薬理研究振興財団との関係は、2000年7月に開催された臨床薬理学集中特別講座参加に遡ります。2000年は普通の循環器内科医として大学に勤めていた私が、縁あって薬理学講座に異動となった年です。私の臨床薬理学の学習はこの年の4月に始まりましたが、ご指導くださったのは恩師の小林真一教授をはじめとする講座内の諸先輩方でした。教授に薦めていただいた財団の集中特別講座は、臨床薬理学を専門とされる諸先輩の皆様や臨床薬理学の学修を志す諸氏と初めて対外的に交流する場となりました。きら、星のごとく有名教授の講師陣にも驚くばかりでしたが、さらに刺激的だったのは年齢に幅はあったものの、臨床薬理学を志す参加者との交流でした。医師の専門もさまざまなことに加え、薬剤師の方との交流も一介の循環器内科医にとっては新鮮でした。当時は1週間、外部と隔絶された環境にともに寝泊まりをし、朝食から夕食、果ては宴会と大浴場での交流まで、その濃密さは個人的には空前絶後の経験で、その後の私の臨床薬理医としての方向性を決めるものでした。最も貴重だったのはそこでの人との出会いでした。特にワークショップの講師の中野重行先生には大学の枠を越えて長くご指導を賜るようになり、今も財団のお仕事をご一緒させていただいております。また、参加者の何人かは年賀状のやり取りが続く関係だったり、ご家族までお知り合いになるほどの親密さでお付き合いをさせていただいております。もちろんその方たちとは、日本臨床薬理学会での活動も一緒にがんばっている関係です。振り返れば、私のような転職組に臨床薬理学の仕事が務まるのか、心配しての異動だったことを考えると、定年間近になる今も大学では臨床薬理学を教え、学会でも皆さんと一緒に活動を続け、さらには学術総会を開催させていただくことができましたのも、多くの皆様の支えがあってのことと思っています。私にとってそのスタートは財団の支援で成し遂げられました。そして今でも財団の活動は人と人とを結びつけて人材を育成する形を採っていると思いますので、私自身も微力ながらその活動のお手伝いをさせていただきたいと思います。50周年を迎えられた財団のこれまでの活動には、臨床薬理学関係者として感謝の念に堪えません。今後もますますの発展をお祈りいたしております。濱田 哲暢富士山麓の研修所にて33名の同期と共に、5日間(平成12年7月24日から28日)の臨床薬理学集中特別講座に参加させていただいたことは、私にとって基礎から臨床へ橋渡しをするトランスレーショナルリサーチを専門分野とする足がかりとなり、アカデミア研究者としての視点を獲得できた重要な機会でした。この講座を企画・実施していただいた臨床薬理研究振興財団および関係者の皆様に、心から感謝申臨床薬理研究振興財団の人を繋げる力(2000年第1期第4回受講)臨床薬理学集中特別講座(第4回)を受講して(2000年第1期第4回受講)108

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