50年のあゆみ
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的な学習方法になります。したがって、第1期の臨床薬理学集中講座の最初から、第3期の現在に至るまで、「演習」として課題をいろいろと工夫しながら継続して実施してきました。参加体験型の演習の特徴と、講義を受け身で受けるだけの講義形式の学習に比べた際の利点として、次のような事項をあげることができます。(1)実践的スキルの習得:知識や理論だけでなく、実際に技術や体験をすることを通じて、現場で応用可能なスキルを身につけることができる、(2)受講者間の相互作用の促進:他の受講者と議論し、協力するプロセスを通じて、異なる視点を理解し、協調性やコミュニケーションスキルを高めることができる、(3)自主性の促進:受講者が自ら学びたい内容を選ぶことができることが多く、自分の関心やニーズに基づいて活動できるため、学習のモチベーションが高まる、したがって盛り上がることも稀でない状況が生まれます、(4)フィードバックが直ぐ受けられる:講師や他の受講者からのフィードバックが直ぐ受けられるため、自分の理解度やスキルのレベルを確認できるので、必要に応じて修正を行うことができる、(5)問題解決能力の向上:受講者は問題解決のための批判的思考力や創造的思考力を養うことができる、(6)長期記憶として残りやすいため学習の持続可能性に役立つ:感情が動く体験を伴うことが多いため、長期記憶として残りやすく、したがって他の新しい状況にも応用可能で、学びの基盤を拡大できる、(7)達成感と自己効力感の向上:実際に何かを成し遂げた経験は、達成感や自己効力感をもたらし、たとえ小さな成功体験であっても、新しい課題に挑戦する自信と勇気が得られます。最後になりましたが、臨床薬理研究振興財団の主催する「臨床薬理学集中講座」が、わが国の臨床薬理学領域における人材の育成に貢献できていることに感謝するとともに、これからも継続して機能し続けることを祈念しています。104集中講座記録集

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